空手の組手においてはカウンターは重要なスキルの1つです。攻撃の技だけ練習していても試合では勝てません。今回は、突きによるカウンター技を5種類紹介し、コツなどを徹底的に解説していきます。
この記事はこんな方におすすめ!
- 相手の攻撃に対処できない
- カウンターはなんとなくやっている
カウンターとは?
まず、カウンターという言葉について整理したいと思います。
カウンターアタック(Counter Attack)は、軍事戦術の一種で防御戦闘において敵部隊の撃破や奪取された地形の奪回を目的に実行される攻撃のこと。日本語では逆襲または反撃。転じてサッカーなどの球技やボクシング、格闘技、モータースポーツなどのスポーツにおいても反撃、速攻の意味で使用されている用語である。単にカウンター(Counter)とも呼ばれてSPY(人為的な工作)活動などに対する防御活動としても用いられる。特に敵が攻撃に出てくるところを防ぎ、即座に攻撃に転じる事、あるいは、その攻撃の勢いを逆に利用して攻撃する事を指す。
「カウンターアタック」『フリー百科事典 ウィキペディア』(https://ja.wikipedia.org/wiki/カウンターアタック)
最終更新日時:2022年1月28日(金)03:51(日本時間) アクセス日時:2022年2月22日(火)10:16(日本時間)
つまり本来の意味は、相手が仕掛けてきた攻撃に対する攻撃という意味なので、これから紹介するテクニックは全てカウンターということになります。
しかし、「カウンター」と言えば先の先のみをいい、後の先のことを「返し」と呼ぶ方もいるのではないでしょうか。少し曖昧な表現になりかねません。
そこで、当ブログでは、ウィキペディア同様、先の先も後の先もすべてカウンターに含まれるものとして、カウンターを定義したいと思います。
先の先と後の先
先の先と後の先という言葉を出しましたが、念のため説明しておきます。
先の先とは、相手が攻撃を仕掛けようとしているのを察知し、相手が攻撃を繰り出そうとしたその一瞬先に自分の攻撃を決めるテクニックです。「出鼻をくじく」などと言ったりもします。
後の先とは、相手が仕掛けてきた攻撃を受けたりかわしたりして、有利になったところで攻撃するテクニックです。「返し」や「反撃」と言ったりします。
以下の記事では、カウンターにはもちろん、組手全体通して重要な「間合い」を徹底解説しています。
▼ぜひご覧ください!▼
突きによるカウンター5種類とコツを解説
ここから、組手で頻繁に使われるカウンターを先の先と後の先に分けて5種類紹介していきます。技の突き方・タイミング・コツなどを中心に解説していきますね。
先の先
先の先は、相手が攻撃を仕掛けようとした一瞬の間を突くカウンターです。非常に速い判断力と、瞬発力が必要になります。
相手をよく観察することで、相手の出だしのクセや隙が見えるようになってきますので、冷静に相手を分析する力も必要になります。
当然相手より速くなくてはいけないので、無駄な動きを排除することや必要以上にリーチを出そうとしないことがポイントです。
先の先のポイント
無駄を排除して素速い突きを!
刻み突き
上のイラストは、青の男性が攻撃を仕掛けようとしているところに、赤の女性が刻み突きを決めています。先の先で刻みを決めているということです。
この刻み突きが使いたいシーンは、
メモ
・相手が動き出そうと足を動かしたとき
・相手の蹴り攻撃
相手の技を潰すようなイメージで行うといいですよ。特に、蹴りへの対処方法としては有効なカウンターです。受ける・かわす以外の蹴り対策を持っておきましょう。
中段突き
こちらのイラストは、赤の刻みに対して青が中段突きでカウンターを取っています。
この中段突きカウンターの使い時は、
メモ
相手の突き攻撃
相手が逆体の場合や、追い突きで外側に入ってきた場合は少し厳しい体勢になりますが、突き技へのカウンターとしてはオールラウンダーともいえる技なので、まず1つ身に付けるとしたらこれにしましょう。
中段突きという点もカウンターとして優秀な要素の1つです。上段と相打ちになった場合、懐に潜り込むような中段突きは旗が上がりやすいです。
また、基本的には先の先でとらえたいこの技ですが、最悪少し遅れたとしても前拳で相手の突きをしっかり受けることができれば取れる可能性が高いのも強みです。
後の先
後の先は、相手の攻撃が来てからのカウンター攻撃です。かといって、単なる相手の攻撃への対処法という意識でいると対応しきれません。
もちろん不意を突かれるときもあるでしょうが(出来るだけなくしましょう!)、先の先とは突くタイミングが違うだけで、カウンターとしての意識は同じです。しっかり集中していなければなりません。
また、後の先に限ったことではありませんが、引き手が大切です。攻めてきているのは相手なので、どうしても自分の技は下がりながらになったり短く見えたりするので、引き手のアピールも意識するといいです。
後の先のポイント
・先の先と同じく集中!
・引き手で突きをアピール!
刻み突き
こちらは刻み突きによる後の先でのカウンター。青がワンツーを繰り出し、赤はワンを抑えてツーの前にカウンターの刻みを決めています。
この刻みを使いたいのは、
メモ
相手の連突きの1本目と2本目の間
このカウンターは、後の先ということで、まずは相手に打たせます。そして1本目の突きを押さえ、すかさず刻みを打ち込みます。
実際の動作を分解すると、
動作の流れ
- 相手の連突き1本目
- バックステップ+後拳で突きを落とす
- バックステップの着地で刻みを打つ
- 相手の連突き2本目
以上のような流れが理想です。
バックステップについてですが、上に跳ねるのではなく下に沈み込むようにステップするのがコツです。また、着地は刻み突きの踏み込みになりますのでそれも意識したステップにしましょう。
また、自分よりリーチのある相手へのカウンターには刻み突きが向いています。単純に、相手に対してより近い手だからですね。
次に紹介する刻みカウンターと違って、相手の突き攻撃に対して問答無用で受け+刻みを叩き込みましょう。
小刻みバックステップ→刻み突き
こちらは、青がワンツーを繰り出し、赤はツーを落として刻みを突いているイラストです。
このカウンターは、細かいバックステップを繰り返して、相手の突きを捌いてから突きます。一つ前の刻みカウンターと同じようですが、細かいバックステップと相手の突きを少し見てから突く点で異なります。
突くタイミングは自分で見極めるので、できれば相手の右手による突きを落としながら突きたいところです。理由は、突きが被らないようにするためです。
仮に左手の突きを抑えて突くと、相手が次に出す手である右手とぶつかる可能性があるからです。必ずではありませんが、せっかくタイミングを選べるので慣れてきたら練習してみましょう!
メモ
相手の右手の突きを落として突けるとなおgood👍
上段逆突き
赤の刻み突きに対して、青が落としながら上段逆突きを突いているイラストです。
このカウンターを使いたいのは、
メモ
相手の左手の突き
刻みカウンターとは逆で、相手の左手の突きを押さえて突くと、突きが被らない可能性が高いです。なので相構えの相手の刻みや、ワンツーのワンに対して使いたいです。
また、踏み込むか踏み込まないかは臨機応変に使い分けましょう。体の使い方も少し変わってきます。
踏み込みながら突くと、キメができるので技が決まりやすいです。一方、踏み込むことで一瞬遅くなります。なので、余裕がある時に踏み込んで突きましょう。
踏み込まない場合は、下がりつつ・相手の突きに被せるように突くことになります。流れで突けるので速く突けますが、キメが弱くなるので引き手がより重要です。
まとめ
突き技によるカウンター攻撃5種類を解説してきました。いろいろなカウンターがありますので、しっかり身に付けて使い分け、ディフェンスを怠らないようにしましょう。