空手の蹴り技は、美しくてポイントが高くて素晴らしい技です。今回は、そんな空手の蹴り技で最も有名な回し蹴りについて解説していきます。
ポイントが取れる回し蹴りを習得したい!
そのまま試合で使えるテクニックも解説するので明日からやってみてください。
こんな方におすすめ
- 回し蹴りのコツを知りたい!
- 実際に使える回し蹴りの使い方を知りたい
回し蹴りとは
まず簡単に回し蹴りについておさらいしましょう。回し蹴りとは、相手の上段や中段を横から蹴る蹴り技のことです。
足の甲を相手に当てることでポイントになります。
ポイント数は、上段に決めれば3ポイント、中段に決めれば2ポイント獲得できます。
回し蹴り
足の甲で相手を横から蹴る!
上段は3ポイント、中段は2ポイント!
以下の記事は空手の組手で使える蹴り技を体系的に解説しています。ぜひ参考にご覧ください!
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回し蹴りのやり方や3つのコツ
それでは、回し蹴りのやり方や重要な3つのコツを解説していきます。
基本の回し蹴りとは少し動作が異なる点がありますので、しっかり確認してください。
回し蹴りのコツその1:引き足をしっかり取る
突きで引き手が重要なのと同様に、蹴りにおいても引き足は大切です。理由をご説明します。
①蹴りっぱなしは伝統派空手の基本から外れている
伝統派空手は、相手にダメージを与える競技ではなく、技をコントロールする競技です。
「自分は技をコントロールしたのだ」と表すのが、引手や引き足の役割の1つでもあるのです。
引手や引き足がないと技をコントロールできていないように見えます。それほど当たっていなくても反則を取られかねません。
②引き足はアピールになる
引き足をしっかりと取り、残身を作ることによって、技の完成度が高まります。
蹴りの場合、
まず引き足を取ったら①その場に足を下ろしましょう。足は着地すると同時に床からの反動を使って②後ろへ戻すとよいでしょう。
そして③残身を取ることで、見栄えのある蹴り技となります。
回し蹴りのコツその2:上体を後ろへ傾ける
回し蹴りは動作が大きいので、素早い突き技で出鼻をくじかれる可能性が高いです。
そのため、できるだけ上体を後ろへ傾けて残しておくことで、突き技をもらうリスクを低減させるとgoodです。
また、上体を後傾させれば蹴りがより高く上がります。体がそんなに柔らかくない人でも上段を狙えるようになりますので試してみてください。
このように、上体を後傾させることには2つのメリットがありますので、意識して蹴ってみましょう!
回し蹴りのコツその3:直線的に蹴る
回し蹴りは、基本通りの大きな回し蹴りでは相手にバレやすいです。そのため、できる限り直線的に蹴るのが大切になってきます。
最短ルートで、最速で届く蹴りを意識しなければポイントは取れません。
つまり、回し蹴りとは、大きく回さなければ回さないほど実戦的な蹴りなのです。
これができなければ試合では通用しないので、最も大切なコツといっても過言ではありません。
以上が回し蹴りで重要な3つのコツでした。
回し蹴りの3つのコツ
- 引き足は、一度着地してもいいから後ろまで!
- 上体を傾ければ、カウンターリスク減+より高く
- 直線的で最短ルートの蹴りが試合には実用的!
それでは最後に、そのまま使える回し蹴りを使ったテクニックを紹介していきます!
試してみて!回し蹴りのテクニック4選!
ここでは、回し蹴りを決めるためのテクニックを紹介しています。
実際の組手の中で使えるようなパターンを紹介していますので、試合で回し蹴りを決められる可能性がグンとあがります!ぜひ練習してみてください!
【攻撃編】見えない!逆突きに隠した回し蹴り!
このテクニックは、自分の逆突きに相手の注意を向かせている間に後ろ足で回し蹴りをきめるというものです。
上体を後傾させるという回し蹴りの基本的な使い方とは違い、逆突きを突いたそのままの体勢から回し蹴りを繰り出します。
つまり、ほとんど突きの距離で使う蹴りなので、コンパクトな蹴りが求められます。股関節をたたみ、逆突きに限りなく隠すように蹴るのがポイントです。
また、逆突きと蹴りの間が空くとバレやすいので、逆突きを突き始めたらもう足は抱え込んでおき、引手を取る前に蹴るくらいの意識で蹴りましょう。
【攻撃編】分かっていても避けきれない!ロング中段廻し
かなり遠間から突っ込むように後ろ足で中段回し蹴りを決めるテクニックです。とても素早い動きを必要としますが、使えれば強力です。
このテクニックが一番有効なのは、相手が自分と逆構えの時です。構えが逆の場合、後ろ足で回し蹴りを決める方に相手のお腹がありますよね。
この蹴りのポイントは、相手が蹴りに気づいたとしても、後ろに下がってかわすことも・ガードして防ぐこともできないような勢いで突っ込むことです。
勢いよく猛スピードで中段蹴りを出されると、下がってもよけきれないことが多いです。上段ならのけぞればかわせても中段は違うのです。
また、中段に対する攻撃は寸止めではなく、正しい位置なら強く当ててもよいことになっています。
ガードしてもお腹に直撃させる、またはガードをすり抜けて蹴って2ポイントもらいましょう。
このように、中段蹴りならではの特性を最大限に活かしたテクニックです。
遠間から蹴る理由は、勢いをつけるためだけではありません。単発の蹴りの弱点である突き攻撃によるカウンターのリスクを減らすためでもあります。
それでもうまい選手であればカウンターを決めてくるでしょうが、百発百中で回避するということは難しいです。
【カウンター編】消えて不意打ち!引き込みサイド廻し
相手の連続攻撃に対して有効なテクニックです。バックステップ→サイドステップ→後足廻し蹴りという流れになります。
ここでいうサイドステップは、自分の背中側へ、前足を踏み出す動作です。
ポイントは、バックステップで下がると相手に思わせることです。突然サイドへ消えることで、そのこと自体に気を向けさせ、一瞬のスキを回し蹴りで突きましょう。
以下の記事は、ステップワークを上達させ、組手で自在に動くために必要な練習メニューを紹介しています!ぜひ取り入れてみてください!
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【カウンター編】予想外のカウンター!前廻し
相手の攻撃に対し、前足の回し蹴りでカウンターを決めるというものです。
突きで攻撃して来た相手に対して、近い前足で回し蹴りなんて距離的にきつそうですよね。その常識を逆手に取ったテクニックです。
3つのポイントをご紹介します。
しっかりとカウンターの構えをとること
反射的なカウンターとしては使えませんので、相手の攻撃にしっかりと備えておきます。
素早い重心移動
相手の突きから距離を取り、前足で蹴るには、重心の位置を素早く後ろ足に乗せなければなりません。
コンパクトな蹴り
通常の蹴り方では抜けてしまいますので、膝を少し内側に入れて抱え込み、相手を正面から蹴るようなイメージで蹴るといいですよ。
前足の裏回しは頻繁に使われるので警戒されていますが、廻しがくると想定している人はさほどいないでしょう。
まとめ
ここまで、組手で使う基本的な回し蹴りのコツと、回し蹴りを使った具体的なテクニックをご紹介してきました。
よく読んで練習し、回し蹴りを自分のものにしてください!