今回は空手の組手で欠かせない「刻み突き」です。刻み突きは組手で一番最初に習う組手技で、動作も一見シンプルで簡単そうです。
しかし、いまいちうまくできず決められない方もいるのではないでしょうか?あるいは、「速くて長い刻み突きが突きたい!」という方も多いでしょう。
そこで今回は空手の組手で重要な刻み突きについて、体の使い方・コツ・練習方法などを中心として徹底的に解説していきます。ぜひ参考にしてください!
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【空手】カウンター刻み突きのコツを徹底解説!連突き封じの技術
刻み突きは攻撃でも高頻度で使用されますが、カウンターとしても有用です。 今回は後の先のカウンターの刻み突きをマスターするために、動きやコツなどを徹底解説します。 ぜひ参考にしてください! ...
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こんな方におすすめ
- まずは刻み突きを習得してみたい!
- 試合でもっと刻みを使えるようになりたい!
- 刻み突きがイマイチうまくいかない・・・
刻み突きとは

刻み突きとは,前足で踏み込みながら前拳で相手の上段を突く突き技です。突き技なので,獲得できるポイントは1ポイントとなっています。
シンプルな技ということもあり,空手の組手を始めたら最初に刻み突きを習うでしょう。しかし,使いこなせば組手で相手を圧倒することもできる強力な技です。

刻み突きの強み
では刻み突きの何が強みなのでしょうか?それは他のどの技よりも速く相手に届けられるという点です。
まず,刻み突きは順突きなので,腰を入れる必要がありません。一方、逆突きは腰を入れる必要があるので,わずかな遅れが生じます。
また,何より相手との距離が1番近いのも理由の一つですね。自分の前拳から相手の顔までの距離は蹴りも含めた他のどの技よりも短いです。
刻み突きの最大の強み
刻み突きは組手の技の中で1番速く相手に届けられる!
刻み突きの7つのコツ

刻み突きのコツ①後ろ足の引き寄せを素速く!
後ろ足の引き寄せとは、突く前に後ろ足を前足へ寄せる動きのことです。これには、相手との間合いを詰め、突きに勢いを乗せる意味があります。
また、後ろ足に溜めが作れるので、しっかり後ろ足で地面を蹴って跳び出すことができます。
したがって、この動作を素速くできれば、より長く、より鋭い刻み突きを繰り出せるのです。

距離が近い場合やカウンターの場合は後ろ足を寄せずに瞬発性を優先しましょう。
刻み突きのコツ②突きと踏み込みは同時に決める!
突きが伸びきるのと、踏み込み(前足の着地)は同時になるのが好ましいです。これらを揃えることで、技にキメが生まれ、副審も技として認めやすくなります。

美しいキレのある技でアピールすることも一つの大切な手段です。
刻み突きのコツ③引き手を後ろまで、素速く取る!
どの技にもいえますが、引き手はしっかり取りましょう。突き以上に引き手が重要だと言っても過言ではありません。
伝統派空手では、「突いて引く」という一連の動作が大切です。相手に届いていても引き手がなかったり引き手が遅いと、技として見栄えがなく副審の心を打ちません。
「突いて引く」
基本的なことですが組手においてもこれを忘れないよう意識しましょう。
刻み突きのコツ④引き手と同時に後拳で相手を押す!
「押す」と表現しましたが、張り手のような攻撃として行なうのではありません。ルール上は、相手を押すとカテゴリー2の反則が加算されます。
ここでは、「自分が持っている前進エネルギーを後拳で相手にぶつける」イメージで行いましょう。
これにより、自分は余った勢いを相手に渡して前進を止め、相手は体勢が崩れるというメリットがあります。
刻み突きのコツ⑤すぐに構え直す!
引き手をしっかり取ったらすぐに構え直しましょう。そして次の攻撃や相手からの反撃に対して備えます。
自分が技を終えたからといって自分で試合を止めてはいけません。
主審による「やめ」がかかるまでは、攻撃後も決して気を抜くことなく、集中していましょう。
これはやっていない人が多く、そして言われても大して意識しないことの一つです。大切なので気をつけましょう。

刻み突きのコツ⑥前傾になって突く
前傾になって突くことでより長い刻み突きになります。
また、後の注意点でも言いますが、前傾になることでお腹を相手から遠ざけた状態で突けるので、防御面から考えてもメリットのあるポイントです。
刻み突きのコツ⑦スイッチする
組手の進化の中で1番変化が大きいのは刻み突きではないでしょうか。
ひと昔前の組手とは比べものにならないくらいアクロバティックな刻み突きが今やデフォルト化しています。
それが刻み突きの突いた後の跳び上がり+スイッチです。これは引き手の動作をスムーズにするために理にかなっており、技としてアピールするにも一役買うコツです。
ただ、この動作は速くて力強い刻み突きがで切るようになって自然に生まれる、後発的な動作であるべきだと考えます。
初めからこの動きを真似るのではなく、突きとして完成度とアピール性を上げるためにできるといいですね。

刻み突きで注意したいポイント5つ
ここで、刻み突きで注意したいポイントも5つ説明していきます。
刻み突きで注意するポイント①後ろ足の引き寄せで頭の高さを変えない
後ろ足の引き寄せは素速く行なうのがコツだと説明しましたが、その際頭の高さ(腰の高さとも)が上がらないようにしたいです。
頭が上下すると攻撃が相手に悟られます。

刻み突きで注意するポイント②突く前に前拳や肩を動かさない
技が相手に悟られる理由として多いのが、前拳が下がったり肩が上がったりすることです。
特に、攻撃時に力むとそれは肩に表れ、相手が1番気付きやすい技の起こりとなるので気をつけましょう。
コラム:悟られる要因
組手中、相手に自分の攻撃が悟られる要因はいろいろなものが挙げられます。しかし、大きな要因は以下の2つです。
・肩や腕が動く
・脚の引き寄せが遅い
これらを限りなくゼロにすることで、もっと相手にバレにくい攻撃ができます。
刻み突きで注意するポイント③顔を動かさない
突く前に顔を動かすというのも意外とやってしまいがちなNGです。これは顔なので鏡を使っても自分では気付きにくいポイントです。
打ち込みの様子をスマホで撮影するなどして、自分のフォームを確認してみるのが1番効果的です。
刻み突きで注意するポイント④上に跳ねて踏み込まない
突きを繰り出す際に気をつけたいのが、上に飛び上がることです。できるだけ突きのリーチを伸ばそうと強く前に踏み出すあまり、上に飛んでしまうケースがあります。
これは突きが遅くなり、相手にスキを見せる原因になるので避けましょう。踏み込みは、斜め下方向に突き刺さるようなイメージで行うのがポイントです。
刻み突きで注意するポイント⑤お腹を突き出さない
刻み突きは中段カウンターが天敵なので、お腹を突き出すようなことは避けた方がいいです。つまりできるだけ前傾になるのが好ましいです。

上記のポイントを意識すれば技の起こりは最小限に抑えられるでしょう。
まとめ
今回は,刻み突きの極意ということで、コツを7つ・注意点を5つ紹介してきました。記事を参考にして、少しづつ改善していっていただければと思います。
電光石火の刻み突きで相手を圧倒しましょう。